ろーだいありー

PS2ソフト『デビルサマナー葛葉ライドウ対超力兵団』の考察記事、ゲームプレイ記録、コレクション写真など。

戦争映画レビュー・2『日本のいちばん長い日』(原田眞人監督/2015年)

戦争映画レビュー・その2『日本のいちばん長い日』(原田眞人監督/2015年)

 

戦争映画レビューの二回目。

 

今回は『日本のいちばん長い日』(原田眞人監督バージョン)。

半藤一利氏のノンフィクションを原作とする。

第二次世界大戦が終わる間際の、「玉音放送」を巡る攻防を描く。

 

決して「天皇賛美」映画でも、「戦争美化」映画でもなく、ただ「事実」を元にして描かれる。

ちなみに昭和天皇役は本木雅弘氏(モックン)。個人的には映画『おくりびと』のイメージが…。

 

また、「戦争中を疑似体験できる映画」とも言えよう。

特に、空襲シーンは怖いと思った(特に劇場で観た時は、迫力があった)。

 

一緒に劇場でこの映画を観た父は、よく「腹切映画」だと言う…。

何故かと思ったら、ぜひ実際に最後まで観て欲しい。

戦争映画レビュー・1『ジョニーは戦場へ行った』(トランボ監督/1971年)

戦争映画レビュー・その1『ジョニーは戦場へ行った』(トランボ監督/1971年)

 

戦争映画のレビュー。

 

第一弾は、トランボ監督の『ジョニーは戦場へ行った』

トランボ監督が書いた小説を原作とする。

 

第一次世界大戦に参戦して負傷し、手も、足も、耳も、目も無くし、口も聞けなくなった兵士・「ジョー」を主人公とする。江戸川乱歩の小説『芋虫』と似ている。

この「ジョー」は、病院に収容されている。

診察した医師は、彼は「何も考えていないだろう」と診断する。

しかし、彼には意識も意志もあり、何とか周囲と意思疎通を計ろうとする。その健気さ。

 

戦争を美化する話ではない。

戦争は愚かで、おぞましいものだ。

 

彼はその後どうなったのだろうか?

一生、暗闇の中で生き続けなければならぬ彼。

このままずっと、孤独なのか?

 

一度だけ結ばれた恋人とは、再会できたのだろうか?

彼女はその後どうしたのか?

別の男と結婚したのか? 

それとも、「ジョー」の帰りを待ち続けたのか?

それは分からない…。

ブックレビュー『あしたぶたの日ぶたじかん』(童話)

童話『あしたぶたの日ぶたじかん』(矢玉四郎作・絵/岩崎書店)レビュー

「うそ」がテーマの童話。

これは、小学三年生の「畠山則安」くんという少年を主人公とした『はれときどきぶた』シリーズの第二弾にあたります。前作『はれときどきぶた』は、畠山くんが「晴れ、ときどき、ぶたが降るでしょう」と日記に書いたところ、ほんとになった…、っていう話。

この『あしたぶたの日ぶたじかん』のあらすじは…。

 

――畠山くんは、「壁新聞」を作ることに夢中でした。はじめは「ほんとしんぶん」という、近所や学校のクラスでほんとにあったことを書いた新聞を作って、神社の掲示板に貼っていましたが、クラスメイトには不評でした。

そこで今度は「うそしんぶん」という、フィクションの新聞を作ることにしました(今風に言うと「フェイクニュース」新聞)。

「頭にチューリップが生えた女の子がいた!」、「ドーナツの食べすぎで体に穴が開いた男の子がいる!」など、ありえない話を書いたのに、なぜかそれが現実になって大騒ぎに…。

そして今度は「ぶたしんぶん」なるものを書くことにしました。だいたいこんな感じの内容。

「あしたはぶたの日です、ぶたがあちこちから出てくるので、みんなでぶたを捕まえましょう」。

無論、これも「うそ」です。

しかし次の日、それがほんとになってしまい――。

 

…奇想天外で面白い話ですが、注目すべきは作者による「あとがき」です。作者はここで読者に「どんなに『大手』だからといって、『新聞(マスコミ)』の言うことを鵜呑みにしてはいけないよ」と伝えているのです。これこそが本作のテーマなのでしょう。童話ですが、大人も読んでほしい作品です。

ちなみに、この作品は1985年発行ですが(手元にあるのは1988年第32刷とあるもの)、もし畠山くんが今どきのネットやパソコンに詳しい子どもなら、「うそブログ」(フェイクニュースブログ)なんてのを作ったのでしょうか? それがもし本当になったとしたら…?