戦争映画レビュー『キャタピラー』(若松孝二監督/2010年)
戦争映画レビュー第三弾。今回は『キャタピラー』。
これは、故・若松孝二監督の遺した「反戦映画」。R-15指定。
第二次世界大戦中の話。
戦場で手足を失った元軍人の男・久蔵と、彼を介護する妻・シゲ子の姿を描く。
小説『芋虫』(江戸川乱歩)と、以前レビューした『ジョニーは戦場へ行った』(トランボ監督)を髣髴とさせる。
元軍人の久蔵は、戦場での加害体験(性暴力の加害)に怯え続ける。
しかし妻・シゲ子はそんなことは知らないのだった…。
やがて戦争は終わる。
そして、久蔵の末路は…。
どこか切なく、そして怖ろしい物語。
R-15指定につき、性暴力表現と性表現も含まれるが、出来れば多くの人に観て欲しいと思っている(DVD版あり)。特に、戦争の「加害性」(特に日本軍が起こしたもの)についてよく知らない人には。