シリーズ 「超國家機関ヤタガラス」はなぜ怖ろしいのか?
・第一回目「ヤタガラスとは何か? 『超力兵団』とは何か?」
- はじめに
- 注意事項・免責事項
- 『超力兵団』とはどんなゲームか?
- 『超力兵団』の舞台と時代背景など
- 主人公について
- あらすじについて
- 「超國家機関ヤタガラス」とは何者か?
- おわりに
- 参照ゲームソフト・参考文献
はじめに
※このブログは、『女神転生(メガテン)』ファンの個人による非営利ブログであり、発売元のゲームメーカー様とは一切関わりありません。予めご了承ください。
※この記事は2021年8月21日に加筆・訂正・修正済み。
このシリーズ記事は、『デビルサマナー葛葉ライドウ対超力兵団(Devil Summoner: Raidou Kuzunoha vs.the Soulless Army)』(以下『超力兵団』)という、プレイステーション2(PS2)のゲームソフト(詳しい仕様は後述する)に登場する架空の組織「超國家機関ヤタガラス」(以下ヤタガラス)を、徹底的に批判するために書くものである。なぜ批判しなければならないのかについては、いずれ明らかにする。
この記事は、『超力兵団』をプレイされた方でないと理解出来ないであろうことは、お断りしておく。また、このゲームの「ネタバレ」を多く含む点にも注意。
もうひとつお断りしておくが、本記事でこの『超力兵団』の「設定・世界観・キャラクター描写・ストーリー」などに関する事柄はすべて、PS2のゲーム『超力兵団』及び、続編の『デビルサマナー葛葉ライドウ対アバドン王(Devil Summoner 2: Raidou Kuzunoha vs. King Abaddon)』(こちらもPS2専用ゲームソフト。2008年発売。現在は絶版)と、この二作の説明書・各種公式攻略本や、『超力兵団』の公式設定資料本のみを参考にして書いた。それ故、この二作を題材とした「メーカー公認のコミック・ノベライズ・ドラマCD」といったものは一切参照していない(私はこの類の商品は一切購入せず、閲覧・視聴もしないため)。予めご了承あれ。
注意事項・免責事項
『超力兵団』を、今やってみたいという方はそう多くはないとは思うが(プレイステーション2の、2006年発売のものだから)、興味を持たれた方はプレイしてみても良い…。ただし、どんな感想を持たれても、こちらでは責任は負いかねる。
また『超力兵団』はすでに絶版になっているので、中古でしか入手不可である点と、基本的にPS2でしか動かない点には注意されたい。
ただし、予め注意喚起しておくが、以下に挙げる条件のうち一つでも当てはまる方は、プレイしない方がいいかも知れない、と言っておく。
- 天皇/天皇制/皇室に対して強い嫌悪感がある
- エロが嫌い
- 大日本帝国・旧日本軍が嫌い
- 戦前日本が嫌い
- 右翼/極右/ネット右翼が嫌い
- 日本の古代神話や『古事記』・『日本書紀』が嫌い
- 暴力・流血・グロテスクな描写が嫌い
- いわゆる「任侠もの」や、「反社会的勢力」が大嫌い
さて、次はこのゲームの概要だけ紹介しよう。
『超力兵団』とはどんなゲームか?
まず基本情報から。
- タイトル/デビルサマナー葛葉ライドウ対超力兵団(『超力兵団』と書いて「ちょうりきへいだん」と読む。英語版は『Devil Summoner: Raidou Kuzunoha vs.the Soulless Army』)
- メーカー/アトラス
- 発売年月/2006年3月2日
- 機種/プレイステーション2(PS2)
- 対象年齢/15歳以上(廉価版は「C」区分だが、実態は同じ)(ただし、実際は「15歳未満でも購入・プレイは可能」である点に注意)
- ジャンル/RPG(戦闘シーンはアクション要素がある)
- 特記事項/「暴力やグロテスクな表現を含む」の注意喚起がある(主に戦闘シーンの流血描写についてのことだろう)。パッケージ裏に、コンテンツアイコン「暴力」の表記あり
これは『女神転生(メガテン)』という、「敵の悪魔(いわゆる「モンスター」)を、味方(「仲魔」と呼ぶ)にして共に戦う」をコンセプトとしたゲームシリーズの流れを汲むもの。「悪魔合体」(悪魔同士を掛け合わせて新たな悪魔を造る)なる、独自の要素も引き継がれている。ただし『超力兵団』には、「悪魔と会話して仲魔にする」システムが無い(本作独自の「悪魔を捕まえる」システムがある)。
『真・女神転生デビルサマナー』(セガサターン/プレイステーションポータブル)と、二作目の『デビルサマナー ソウルハッカーズ』(セガサターン/プレイステーション)の続編という位置づけ。
『超力兵団』の舞台と時代背景など
このゲームの時代背景は、「1931年、大日本帝国時代の日本」である。ただし、現実では「昭和6年」だが、ここでは架空の「大正20年」という、あり得ない年号になっている点に注目されたい。
主な舞台は帝都・東京だが、現実とは地名が異なる点にも注意(現実の「神楽坂」は、ここでは「筑土町(つくどちょう)」である、など)。
なお、このゲーム上の日本では「関東大震災は起きなかった」らしい。
これについては、いくらか悪意を感じる設定なので、いつか触れたいと思う。
主人公について
主人公は「葛葉ライドウ」という、17歳くらい(推測)の少年(なお「ライドウ」とは通称で、「本名」は自分で決められる)。「葛葉」は「くずのは」と読む。
普段は学生で、探偵助手だが、実態は「ヤタガラスの配下にあるデビルサマナー」である。
「デビルサマナー」とは、悪魔を「仲魔」として戦う職業。
武器は「日本刀」と「銃」。
なお「ゴウトドウジ(業斗童子)」(通称「ゴウト」)という、喋る黒猫がお供しているが、これの実態は「かつて罪を犯した元・デビルサマナー」であると言われている(この設定には何かおぞましいものを感じるが、これについてはまたの機会に)。
あらすじについて
ここでは簡単に触れるだけにする。
1931年(ここでは「大正20年」)、主人公のデビルサマナー・ライドウは、ヤタガラスの命令で「東京(帝都)を滅亡させようとする者たち」を倒していく…、という話。
最初は「ある少女が誘拐されて、行方不明になった」のがことの発端だったのだが…。
だいたいこのくらいでよいだろう。説明不足かと思うが、後は自分で調べるなりして欲しい。
次は、「ヤタガラス」について簡単に説明しよう。
「超國家機関ヤタガラス」とは何者か?
では「ヤタガラス」とは何か、について説明する。
このゲームのマニュアルなどを参考にして考えると、ヤタガラスは「古(いにしえ)の時代から、日本を背後から不思議な力で守護し、支配している」存在で、「デビルサマナーたちを束ねる」存在だが、「その実態は謎」である、ということだ。
だが、断言しよう!
ヤタガラスのモデルとなっているのは、「国家神道」である!
本来の「神道」では無い、ということも付け加えておく(本来の「神道」も参考にしている部分はあるのだろうが)。
「国家神道」とは、簡単に言えば「天皇を神(現人神)とする」宗教のことで、戦前・戦中の日本にあったが、現在は事実上解体され、廃止されている。
なぜそう断言出来るのか? それは、このゲームの「第七話・呪われた探偵」というシナリオの冒頭部分をよく見ると分かるのだ。
この「第七話」は、ゲーム史上稀に見る(と言うと大げさかも知れないが…)「大問題作」だと、個人的には思う。
これについては深く掘り下げてみたいので、第二回目に回すことにする。
おわりに
今回は、ゲームの概要や注意事項などを書き連ねてみた。
次回から、本格的に「ヤタガラス批判」をやることにする。
では、続きは第二回目で!
参照ゲームソフト・参考文献
【参照ゲームソフト】
- デビルサマナー葛葉ライドウ対超力兵団(プレイステーション2/発売元・アトラス)
- デビルサマナー葛葉ライドウ対アバドン王(プレイステーション2/発売元・アトラス)
【『超力兵団』及び続編の本】
- デビルサマナー葛葉ライドウ対超力兵団 超公式ふぁんぶっく(ファミ通編集部責任編集/エンターブレイン)
- デビルサマナー葛葉ライドウ対超力兵団 超公式完全本(ファミ通編集部責任編集/エンターブレイン)
- デビルサマナー葛葉ライドウ対アバドン王 公式ガイドブック(ファミ通編集部責任編集/エンターブレイン)
- デビルサマナー葛葉ライドウ対アバドン王 超公式完全本(ファミ通編集部責任編集/エンターブレイン)