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シリーズ記事「『超國家機関ヤタガラス』はなぜ怖ろしいのか?」・第二回目

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(※画像はイメージです)

 

シリーズ 「超國家機関ヤタガラス」はなぜ怖ろしいのか?

・第二回目「『第七話・呪われた探偵』というシナリオの怖ろしさを検証する(其の壱)」

はじめに

※このブログは、『女神転生(メガテン)』ファンの個人による非営利ブログであり、発売元のゲームメーカー様とは一切関わりありません。予めご了承ください。

 

このシリーズ記事は、プレイステーション2(PS2)のゲームソフト『デビルサマナー葛葉ライドウ対超力兵団』(以下『超力兵団』。「アトラス」社より発売)に登場する、架空の組織「超國家機関ヤタガラス」(以下「ヤタガラス」を、徹底的に批判するためと、このゲームシリーズは「今の日本ではもう出すべきではない(どんな形であれ)」ということを訴えるために書くものである。

なぜ、このようなことを訴えねばならないのか、については、いずれ明らかにする。

なお記事中、このゲームの「ネタバレ」も多く含まれる点には注意されたい。

また、このゲームをプレイされたことが無い方には、理解できないであろうことはお断りしておく。

 

もうひとつお断りしておくが、本記事と前回までの記事で、この『超力兵団』の「設定・世界観・キャラクター描写・ストーリー」などに関する事柄はすべて、PS2のゲーム『超力兵団』及び、続編の『デビルサマナー葛葉ライドウ対アバドン王』(こちらもPS2専用ゲームソフト。2008年発売。現在は絶版)と、この二作の説明書・各種公式攻略本や、『超力兵団』の公式設定資料本のみを参考にして書いた。それ故、この二作を題材とした「メーカー公認のコミック・ノベライズ・ドラマCD」といったものは一切参照していない(私はこの類の商品は一切購入せず、閲覧・視聴もしないため)。予めご了承あれ。

 

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前回のおさらい・ゲームの概要

この『超力兵団』は、プレイステーション22006年に発売された作品である(現在は絶版)。

女神転生(メガテン)』という、「悪魔(いわゆる「敵モンスター」)」を「仲魔」(このシリーズでは味方にした悪魔をこう呼ぶ)にして戦わせられるシステムを持つRPGシリーズの流れを汲んでいる。「悪魔合体」なる独自のシステムも引き継がれている。

ジャンルはRPGだが、戦闘はアクション要素がある。

対象年齢は15歳以上(後に発売された廉価版では「C」区分となっているが、実質的には同じ)。ただし、15歳未満でも購入は可能。

「暴力・グロテスクな表現を含む」の注意喚起あり(戦闘シーンで流血描写あり。苦手な方はご注意)。

1931年の「架空の大日本帝国(主に帝都・東京)」を舞台とするが、年号が現実とは違うものになっている(「大正20年」とされている)点に注目されたい(現実では「昭和6年」)。

主人公は「葛葉ライドウ」という、表向きは学生で、さらに「探偵助手」をしているが、実は「ヤタガラス配下のデビルサマナー(「悪魔召喚師」)」である少年。

 

詳しくは前回の記事も参照のこと。

↓リンク先

lucyukan.hatenablog.com

 

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「ヤタガラス」とは何か?

前回少し触れたが、このゲームに登場する「ヤタガラス」は、「古くから、日本を背後から不思議な力で支配している組織」であるという。そして「デビルサマナー」たちを束ねる存在であり、「その実態は謎に包まれている」とのこと。

しかし、私はこの組織のモデルは「国家神道」である、と断言する。

なぜそれがわかるのか? ということは、この先で触れよう。

 

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第六話までのあらすじ

 この先では、『超力兵団』のシナリオのうち「第七話・呪われた探偵」について検証していくのだが、第七話に触れる前に、第六話までのシナリオについて簡単に説明しておこう。

 

大正20年(1931年)の帝都(東京)。

デビルサマナーのライドウは、ある日「大道寺伽耶」(だいどうじ・かや)という少女が、何者かに誘拐されて行方不明になる事件に遭遇する。

彼女の行方を追っていくうち、どうやらこの事件は単なる「誘拐事件」ではなく、「帝都を危機に陥れようとする『謎の勢力』」が関わっているものだということに気付く。

ヤタガラスの配下で、帝都の平和を護る使命を帯びているライドウは、この勢力と戦うことになるのだが…。

この勢力は何者なのか?

 

大雑把に説明すれば、こんな感じだろうか。

では、ここから先は「第七話・呪われた探偵」について詳しく見ていこう。

このシナリオは、「ゲーム史上稀に見る大問題作」(大げさだが…)だと個人的には思っている。

 

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第七話のあらすじ

この第七話のあらすじは、こうである。

 

ヤタガラスの命令で、「敵に呪いをかけられて、身動きの取れなくなった『日本にとって重要な、ある人物』を救う」ために、ライドウが代わりに呪いを引き受け、「術者」である敵を倒しに行く。

 

これだけだと、特に変わったところのないシナリオだと思うだろう?

しかし、この話はかなり怖ろしい・おぞましいものなのである。

この先では、それを検証する。

 

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「重要人物」とは何者なのか?

では、ここで「呪いをかけられて、身動きの取れない『ある重要な人物』」とは何者なのか、ということを検証してみよう。

ヒントは、「ヤタガラスの使者」という女性(ヤタガラス配下の人物で、ライドウにヤタガラスからの命令などを伝えたりする。シナリオ上何度も会うことになる)が言うセリフである。

 

まず、彼女はその「重要人物」のことを「閣下」と呼ぶ。名前は一切呼ばない。

そしてこの人物は「海軍の…、いや、日本国の未来において重要な御方」であるのだと言う。

この人物を「絶対に救いたい」から、ライドウに「呪いを引き受けろ」と命じる。逆らうことは出来ない。

 

さて、これを整理してみよう。

 

  1. ・この人物を、「絶対に救わなければならない」と、ヤタガラスの使者(つまりヤタガラスそのもの)に命じられる
  2. ・『超力兵団』の日本では、年号は「昭和」ではなく「大正」となっている。時代は戦前。
  3. ・この人物は「閣下」と呼ばれ、名前では呼ばれない。
  4. ・この「閣下」は、「海軍」に関わる重要人物である。なお「閣下」とは、戦前日本においては「偉い軍人」に付ける敬称である。
  5. ・さらにこの「閣下」は、「日本の未来において重要な御方」と表現される。

 

そして、先に少し触れたように、ヤタガラスとは「国家神道」がモデルと考えている。

さらに本来「八咫烏(ヤタガラス)」とは、「神武天皇」(初代天皇と言われるが、架空の人物と考えられる)にまつわる伝説の烏とされる。

それと、戦前の日本(当時は「大日本帝国憲法」が施行されていた)において、「軍隊」(日本軍)に関わる「重要人物」というと…?

 

これらを総合して考えてみれば、おのずと答えは分かるだろう。

 

この「重要人物」の正体は…「大正天皇」である。

 

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このシナリオの怖さとは…?

そう、もうお分かりだろうが、この第七話のメインシナリオは、「大正天皇を救うために、命がけで戦え」と、ヤタガラスに命令される、という話なのである。

しかも、「これに従わなければ、先に進むことが出来ない」点も、重要なこととして覚えておいて欲しい。

さらに言うなら、「天皇を救うためであれば、ライドウの命や人権なども軽視する」のがヤタガラスのやり方である、ということを露呈した話だとも言えよう。

ヤタガラスのモデルが「国家神道」だと確信したのは、この第七話及び他の話を詳しく検証した結果である。

「天皇(及び「国体」)を護るために戦え、尽くせ、命を捨てろ」という教えは、まさに「国家神道」の教えそのものである、ということも理解して欲しい。これについてはまた次回以降で。

 

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おわりに

今回は「第七話」について軽く検証してみたが、次回からはこのシナリオをもっと詳しく掘り下げてみたい。

深く検証するほど、この話の怖ろしさと、ヤタガラスの醜悪さが分かると思う。

では次回まで。

 

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参照ゲームソフト・参考文献

【参照ゲームソフト】

  • 『デビルサマナー葛葉ライドウ対超力兵団』(プレイステーション2/発売元・アトラス)
  • 『デビルサマナー葛葉ライドウ対アバドン王』(プレイステーション2/発売元・アトラス)

【『超力兵団』及び続編の本】

  • 『デビルサマナー葛葉ライドウ対超力兵団 超公式ふぁんぶっく』(ファミ通編集部責任編集/エンターブレイン)
  • 『デビルサマナー葛葉ライドウ対超力兵団 超公式完全本』(ファミ通編集部責任編集/エンターブレイン)
  • 『デビルサマナー葛葉ライドウ対アバドン王 公式ガイドブック』(ファミ通編集部責任編集/エンターブレイン)
  • 『デビルサマナー葛葉ライドウ対アバドン王 超公式完全本』(ファミ通編集部責任編集/エンターブレイン)

 

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