ろーだいありー

ゲームレビュー、ゲームプレイ記録、『メガテン』考察、ブックレビュー、音楽レビュー、コレクション写真、映画評など。

「ヤタガラスはなぜ~」シリーズの改定、及び参考文献の解説の変更について

シリーズ記事「『超國家機関ヤタガラス』はなぜ怖ろしいのか?」第六回目について、一部修正・改定を行なったのでお知らせする。今後、他の回も順次修正していく。

 

lucyukan.hatenablog.com

 

今回書き直したのは「参照ゲームソフト・参考文献・お薦め映画DVD」の欄で、書名などを「」としていたのを『』と改めたことと、文献を一冊追加したこと、ある本の解説文の改定である。

その「ある本」とは『「歴史認識」とは何か 対立の構図を超えて』(大沼保昭著 聞き手・江川紹子/中公新書)のことで、以前は「ぜひ読んで欲しい」などと書いていたが、最近別の本をいくつか読んでいるうちに「これをお勧め本とするのはちょっとどうだろう…? 参考にはなるけど…」という気になったので、解説文を書き変えることにした。

書き変えた文についてはこの記事を参照してほしい。補足しておくが、大沼保昭氏(2018年逝去)が呼びかけ人となった「財団法人 女性のためのアジア平和国民基金」(現在は解散)とは、日本政府が作ったものだが、「日本国家が元「慰安婦」の女性たちに賠償するものではなく、国民からの寄付で"償い金"を集め、元「慰安婦」の女性に届ける(ただし中国の元「慰安婦」の女性などは除かれている)」のが主な趣旨の基金のこと、と言えば分かりやすいだろうか。これには賛否両論あり(国内外で)、結果的には「特に韓国からの反発が多く、受け取る人はそう多くはなかった。かえって遺恨を残した」のだと考えられる。私はこの基金には否定的、としておく(国家が責任を取る必要があると私は思っているので。国民の善意にゆだねるのは責任放棄と思える)。この基金を擁護する人たちが居るのも仕方ないとは思うし、悪意ではなく「善意」でやったことなのは分かるけどね…。

大沼氏は、これは基金が悪いのではなく、韓国のマスコミが正しく報道していないせいだとか、韓国ナショナリズムのせい、「国家の賠償にこだわる人たちのせい」とか、ひたすら自己弁明を試みている(いくらか物の見方が偏っていると思う)。まあ、せっかく善意でやったことが「踏みにじられた」と感じたから、韓国人のせい・韓国のせいだと思いたい感情は理解できなくもないが、「自分らのやったことは善意とはいえ、いくらか間違っていたかも知れない、被害者をむしろ傷つけていたのかも…、かえって問題解決を妨げたのかも…」、と少しでもいいから認めるべきだろう。残念ながら、大沼氏以外の呼びかけ人でも、このように自己弁明を試みる人は居るようで…。後に考えが変わる人もいるが。

また、日本で「嫌韓」本が売れるようになったのは、「せっかく基金を作ったのに、韓国では評価されなかったことへの反発感情から来ている」みたいな感じで、「嫌韓本が売れる」原因は韓国が作ったみたいに言ってるけど、これも基金を擁護したい気持ちから言っているとも考えられるので、本当かどうかは怪しいところだ。仮にそうだとしても、それは「嫌韓本」が売れる原因の一部に過ぎないだろう。「嫌韓本」が生まれるのは、日本国家が韓国との対立を煽ったり、日本の右派(「日本会議」や「新しい歴史教科書をつくる会」、「自由主義史観研究会」など)が韓国の歴史を歪曲して日本の若者に伝えたりすることも原因かも知れない、とは思わないのだろうか。今では「女性のためのアジア平和国民基金」のことを知らない世代の一部も「嫌韓」になっているだろう。

せっかくなので少し弁護しておくと、大沼氏も「日本軍「慰安婦」問題は日韓の問題だけではない」ということは認めているので、その辺は悪くないが。

追加した文献は『「慰安婦」バッシングを越えて 「河野談話」と日本の責任』(「戦争と女性への暴力」リサーチ・アクション・センター編/大月書店)である。大沼氏への批判も試みられているので(『「歴史認識」とは何か 対立の構図を超えて』より前に発売された本だが)、こちらも参考になるだろう。

参考文献

  • 『「歴史認識」とは何か 対立の構図を超えて』(大沼保昭著 聞き手・江川紹子/中公新書)
  • 『「慰安婦」バッシングを越えて 「河野談話」と日本の責任』(「戦争と女性への暴力」リサーチ・アクション・センター編/大月書店)