ろーだいありー

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『皇室タブー』の感想

『皇室タブー』(篠田博之著/創出版)を読んだ感想。

 

「戦後以降の、『皇室タブーに触れてしまったために右翼に襲撃・抗議された』マスコミ・出版社・映画監督など」に関する事件・トラブルなどをテーマとしている。

結構面白い本である。これを読んでいると、「右翼を恐れるこんな世の中では、ちょっとでも菊タブーに触れるような作品は、出すことは憚られるだろうな(特に大手出版社・企業であればなおさら。アングラはともかく)」と思ってしまう。それでも、天皇制を批判するような作品を出し続ける人たちも居るのは、単純にすごいと思う。また、右翼同士でも意見の違いから抗争が起こることも知った。「右翼雑誌に右翼が抗議する」事態もあるのか…、と。

この前批評を書いた『《自粛社会》をのりこえる』(安世鴻・李春熙・岡本有佳編/岩波ブックレット)の中では、「ニコンサロン事件(日本軍「慰安婦」をテーマとした写真展がニコンの判断で一方的に中止された事件。裁判の結果、後に開催されたが)は、右翼を恐れすぎるニコンの過剰な自粛によるもの」とされていたが、この考え方は「時には実力行使する右翼」を甘く見ていると思う。無論、勝手に写真展を中止したニコンは批判するべきだが、所詮は一企業に過ぎないニコンに「もしかしたら暴力を使うかも知れない右翼と戦ってでも、写真展をやれ」と過剰に期待するのはいいこととは思わない(裁判所の判決は尊重するが)。「たとえ右翼に殺されようとも、絶対にやってやる。万一お客様に被害が及んだとしたら、もうギャラリー自体を閉めて廃業する覚悟がある」という、余程骨のある人が居る企業・ギャラリーなら期待してもいいのだが。世界的に知られるとはいえ、単なるカメラメーカーであるニコンにそこまで期待できるか?

『《自粛社会》をのりこえる』についてはこの記事も参照。

 

lucyukan.hatenablog.com

 

このニコンサロン事件と「皇室タブー・菊タブー」は一見関係ないように見えるが、日本軍「慰安婦」制度は「皇軍」(天皇の軍隊)が作ったものなので、密接に関わっていると考えている。日本軍「慰安婦」問題をなかったことにしようとする人々は、右翼が多いのもそのためだろう。

このブログでやっている「『超國家機関ヤタガラス』はなぜ怖ろしいのか?」シリーズでも、『デビルサマナー葛葉ライドウ対超力兵団』は「菊タブーを恐れているゲームである。本来はタブー破りの得意な『メガテン』なのに…」としているが、やはり「右翼を恐れるメーカーとしては、天皇崇拝の『超國家機関ヤタガラス』を滅ぼす話など作れないのだな」と思ってしまう。

 

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