先日公開した記事(今日も修正している)。これは『シャイニングフォース・黒き竜の復活』(セガのゲームボーイアドバンスソフト。ジャンルはシミュレーションRPG。以下『黒き竜』)の問題点を書いたシリーズの最終回。このゲームは『シャイニングフォース・神々の遺産』(セガのメガドライブソフト。以下『神々の遺産』)のリメイク版である。
これにさらに追記したものがこちら。
さらにもう少し追記しようと思う。…いい加減『黒き竜』のことは忘れたいのに…。
(※以下ネタバレも含まれるので注意)
今回追記しておきたいのは、「悪役・ダークソル」(『神々の遺産』でも『黒き竜』でも、「ルーンファウスト帝国」の軍師で、謎の魔道士という設定の人物)のことだ。詳細は「『黒き竜』の問題点6」の最後の項目に書いたのでそちらを参照してもらいたいが、もう少し書きたいことがあったので書くことにする。
本題に入る前に、ちょっとした話を…。かなり暴走するのでご了承願いたい。
このダークソルという人物、『神々の遺産』の時点では「邪竜ダークドラゴン復活を目論み、最終的には自らを生贄にした正体不明の魔道士」でしかないのだが、続編の『シャイニングフォース2 古えの封印』(メガドライブソフト)では「彼の正体は悪魔王である」とされ、外伝作の『シャイニングフォース外伝 ファイナルコンフリクト』(ゲームギアソフト。以下『ファイナルコンフリクト』)では「彼は、実は部下の魔女・ミシャエラの夫で、前作『シャイニング&ザ・ダクネス』(メガドライブソフト。以下『ダクネス』)のラスボス・メフィストの父親だった」となっているのだが…。
その、後付けの設定を元に『神々の遺産』を見た場合、「あの、恋愛沙汰など全く似合わなそうな男に(しかも正体は悪魔王だし…)、妻子が居たなんて…。いったいミシャエラとの間に何があったんだ…?」ということがどうも気になってしまう。『ファイナルコンフリクト』で、ミシャエラは彼との息子・メフィスト(『ダクネス』では成人だが、『ファイナルコンフリクト』ではまだ乳児)のことを「私たちのいとし子」と表現しており、とても愛しんでいるらしいところからすれば、あの二人は深い愛情で結ばれていたのだろうとは思うけど…。『ファイナルコンフリクト』での彼女は、ダークソルを復活させるために必死であるが、それは「愛する彼を復活させて、親子三人で幸せに暮らしたい」という願望があるから、なのかも知れない。
しかしそう考えると、この二人は「ルーンファウスト軍の部下たちが必死でシャイニングフォース軍と戦っている最中に、密かに逢引きしては愛を語り、極秘で結婚して子どもを作っていた」としか思えないが、部下からすれば「俺らが死に物狂いで戦っている時に、あんたらはいったい何をやってんだ…」って感じだろうね…。ユニコーンの歌『ヒゲとボイン』ではないが、「女にうつつを抜かしているからシャイニングフォース軍には勝てなかった」と考えられなくもない。
あの非道な男(結構三枚目っぽい人物ではあるが…)が、ミシャエラに愛の告白をしたりプロポーズしたりとか*1、息子に「パパ」とか「お父さん」とか呼ばれるのはどうも想像がつかないが*2、そこがエモいというか…、「ギャップ萌え」とでも言うのかねぇ…。私が好きなキャラクターやタレントというのは、「お父さん」(または「オッサン」)が多いのはなぜだろう…。『ファイナルコンフリクト』によると、メフィストがまだ小さい頃、両親とは死に別れているわけだが、『ダクネス』でのメフィストはもしかすると、父親の無念を晴らすために暗躍しているのかも知れないし、父親を蘇らせたいから暗躍しているのか? とかいろいろ考えてしまう。まあ、遠い未来に人間たちが滅んだ後、彼らは復活して親子三人で暮らすことになるのかも、と思っている。
閑話休題。ここからが本題。
「『黒き竜』の問題点6」で、『黒き竜』の最大の問題点としてあげたのが、「ダークソルの設定も、性格も、セリフもまるっきりと言っていいほど変わってしまった」ことだ。詳しくは「『黒き竜』の問題点6」を参照して欲しいが、「古えの城*3で、ダークソルと戦う前に見られる彼のセリフの変化」については書いていなかったので、補足したい。
『神々の遺産』の彼は、ダークドラゴン復活の儀式中に乱入してきた主人公たちを見て、「…ん? お前ら、どうやってこの城に入った? …そうか、そんなに死にたいか? それなら望みを叶えてやろう!」といった感じのセリフを言う。どうやら、冷静さを失っているらしいと伺えるが、それが彼の面白いところだと思う。
しかし『黒き竜』では、「ほう、面白い。皇帝ラムラドゥを倒してここまで来たか…。…虫けらどもが調子に乗るな」といった感じのセリフに変わっているのはつまらないと思う(『神々の遺産』と比べると冷静すぎる…)。
「『黒き竜』の問題点6」でも書いたように、『神々の遺産』の彼は「悪逆無道で怖ろしい存在であるが、ちょっと抜けていて、親しみやすくて面白い人物」という印象なのに、『黒き竜』の彼は「ただの残忍で冷酷な人物」としか思えない*4。それが、『黒き竜』をどうしても受け入れられない原因のひとつである。
『黒き竜』でのダークソルの設定の変化については「『黒き竜』の問題点6」で詳しく書いたが、これがあまりにも陰鬱でおぞましくてグロテスクすぎるのは何度でも言っておく*5。『黒き竜』のみ見られる彼のセリフで「ふざけた話だ…」というのがあるが*6、それはこちらのセリフである。「このように名作を改変するとは、ふざけた話だ…」と。
参照ゲームソフト
- シャイニングフォース 黒き竜の復活(ゲームボーイアドバンス/発売元・セガ)
- シャイニングフォース 神々の遺産(メガドライブ/発売元・セガ)
- シャイニングフォース外伝 ファイナルコンフリクト(ゲームギア/発売元・セガ)
- シャイニングフォース2 古えの封印(メガドライブ/発売元・セガ)
- シャイニング&ザ・ダクネス(メガドライブ/発売元・セガ)