ろーだいありー

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「ヤタガラスはなぜ怖ろしいのか?」に関しての付記

このブログで連載している「『超國家機関ヤタガラス』はなぜ怖ろしいのか?」に関しての付記

これは、いずれは「『超國家機関ヤタガラス』はなぜ怖ろしいのか?」の第七回目でも書くつもりでいるのだが、第七回目の更新がいつになるか未定なので、先にここで書いておく。

このブログ中で、『デビルサマナー葛葉ライドウ対超力兵団』(以下『超力兵団』。プレイステーション2RPG)に関しては、どんな形であれ二度と出すべきではない、と常に書いているのは、別の理由もあったということに今更気付いたので、付記しておく。

それは、近年の「明治礼賛」ブームに関係している。そう、政府による「明治150年キャンペーン」とかね…。

もしこの『超力兵団』(というよりは「葛葉ライドウ」シリーズ)の三作目(二作目は既に存在している)をこの先出すと、「遡って明治時代が舞台」なんてことになりかねない、という危機感がある(『超力兵団』は架空の1931年の日本を舞台とする)。

それのどこが問題か。それは、明治時代を舞台としてしまうと、より一層「日本スゴイ、戦争賛美、天皇崇拝賛美、大日本帝国礼賛」が強化されたシナリオになるのではないか、という懸念があるから。さらに「日露戦争は国防戦争だった」などという、間違った歴史観(これは「新しい歴史教科書をつくる会(「つくる会」)」などが言っている歴史観なのだが)を取り入れる可能性も高い。

NHK大河ドラマなどならともかく、子どもと若者向けに作られた、「主人公になりきって遊ぶゲーム作品」では、このようなものを出すのは危険な側面があるだろう。

それからもうひとつ付記しておくが、この「『超國家機関ヤタガラス』はなぜ怖ろしいのか?」には、「『つくる会』などの歴史修正(改竄)主義には徹底して対抗する」という意図は含まれるが、「天皇制は絶対に廃止せよ」というメッセージは込めていない。ブログ内でも「天皇制は廃止してもかまわないが、阻まれるからどうせ無理だろう」といったことは書いたが、特に天皇制・天皇家に強いこだわりがあるわけではない。

ただし、「天皇制には差別要素が含まれる。昭和天皇が戦争責任を取らなかったことは良くないと思う」といったことは書いた。だからといって、天皇制廃止論者なのかと言われても困るのだが(別に廃止論者ではない)。

私が伝えたいのは、「天皇制や天皇家を嫌う人たちも日本に存在するのに、この『超力兵団』のような、『天皇崇拝団体』を味方としたり、『大正天皇を命がけで護れ』などというシナリオがあるゲームを出すのは、特に子どもたちには非常に好ましくないだろう。戦前ならともかく、二十一世紀では…」ということだから。

続きは、「『超國家機関ヤタガラス』はなぜ怖ろしいのか?」の第七回目で(更新日は未定だけどね…)。

参考文献

関連記事 

lucyukan.hatenablog.com

「ミケランジェロと理想の身体」展

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(上野から見えるスカイツリー

上野の国立西洋美術館で開催中の、「ミケランジェロと理想の身体」展を観てきた。

私は彫刻にはあまり関心が無いが(絵画の方を好むため)、チケットが当たったので行ってみた。

タイトルに「ミケランジェロ」とは付くが、ミケランジェロ作品はそれほど多くはない。

個人的には、古代の壁画とかが面白いと思った。

 

国立西洋美術館は、やはり常設展(企画展チケットでも入れる)が充実しているところが良い。モネやミロの作品などが好き。

今回は常設展の中で、小企画展「西洋版画を視る」もやっていたけど、こちらも面白い。版画の道具も展示されている。

シリーズ記事「『超國家機関ヤタガラス』はなぜ怖ろしいのか?」・第六回目

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(※画像はイメージです)

シリーズ 「超國家機関ヤタガラス」はなぜ怖ろしいのか?

・第六回目「『第伍話・地底参佰米の対決』に見るこのゲームの歴史観と、『新しい歴史教科書』との符合点」

はじめに

このシリーズ記事は、デビルサマナー葛葉ライドウ対超力兵団(以下『超力兵団』。「プレイステーション2」専用ゲームソフトとして2006年に「アトラス」社より発売されたもの。『女神転生メガテン)』シリーズの一種で、ジャンルはRPG。現在は絶版)に登場する、「超國家機関ヤタガラス」(以下「ヤタガラス」。モデルは「国家神道」であり、極右思想・天皇崇拝思想を持つ)という架空の組織を「徹底的に批判するため」と、「この『超力兵団』そのものが持つ問題点を徹底的に暴いて批判するため」、さらに「この『葛葉ライドウ』シリーズはもう封印作品とすべきである。特に『超力兵団』についてはどんな形であれ(ゲームソフトに限らず)、二度と世に出すべきではない」ということを訴えるために書くものである。

なぜこういうことを訴えるのかは、これまでの記事を参照してほしい。今回の記事にもその答えは示している。

この『超力兵団』に関しては、新作(三作目)・リメイク・移植・配信・メディアミックスなどの全てを、今後は一切出して欲しくない理由のうち、ひとつを先に説明しておく。

「今、日本の学校で使われている『歴史教科書』の記述が、どんどん後退している(特に「近代の戦争における、日本の加害歴史」をあまり書かないようにしている)」という事態に危機感があり、それから「日本が引き起こした戦争を美化するような、『歴史修正(改竄)主義』が台頭している(「歴史修正(改竄)本」が書店に溢れかえっている)」事態にも危機感があるため。
それとどう関係があるのかというと、この『超力兵団』は、「戦前(1931年)の大日本帝国(あくまで架空のものだが)だけを舞台とした作品だからだ。今後このシリーズを作るとなると(リメイクも含む)、「このような、『後退した歴史教科書』・『歴史修正(改竄)本』でしか日本の歴史を学んだことのない若者向けのシナリオを作るのではないか」、「歴史修正(改竄)主義者向けのシナリオを作りそうで、子どもと若者には特に危険だ」という懸念があるから、一切出して欲しくないと訴えているわけだ。

この記事には、ゲームの「ネタバレ」も多く含むので注意。

また、このゲームをプレイされたことが無い方には理解できないであろうことは、お断りしておく。

私のTwitter(現在は諸事情により非公開アカウントとしている)、Google+での発言、及びサブアカウントのブログ「悪魔ハンター桐嶋ローダVS八咫烏」(https://kirishimaloda6915.hatenablog.com/)の記事の一部も再録している部分がある。

もうひとつお断りしておくが、本記事と前回までの記事で、この『超力兵団』の「設定・世界観・キャラクター描写・ストーリー」などに関する事柄はすべて、PS2のゲーム『超力兵団』及び、続編の『デビルサマナー葛葉ライドウ対アバドン王』(こちらもPS2専用ゲームソフト。2008年発売。現在は絶版)と、この二作の説明書・各種公式攻略本や、『超力兵団』の公式設定資料本のみを参考にして書いた。それ故、この二作を題材とした「メーカー公認のコミック・ノベライズ・ドラマCD」といったものは一切参照していない(私はこの類の商品は一切購入せず、閲覧・視聴もしないため)。予めご了承あれ。

ブログコンセプトの一部変更に関して

これまで、この「『超國家機関ヤタガラス』はなぜ怖ろしいのか?」では、主に「ヤタガラス」の怖ろしさを説いてきたわけだが、「はじめに」でも書いたように、今回からは「この『超力兵団』自体もまた、怖ろしいものを含んでおり、それを告発する」というテーマも加えていくことにした。
それというのも、このブログシリーズを書いていくうち、「これまでは『ヤタガラスの怖ろしさだけを解説すればいい』と思っていたが、このゲームそのものにも多くの問題点と怖ろしい点がある」と気付いたからである。
また、このゲームの第七話は「ゲーム史上稀に見る大問題作である」と以前書いたが、それどころかこの『超力兵団』自体、「『メガテン』史上…、否、家庭用ゲーム機のRPG史上、稀に見る大問題作かも知れない」という持論も持つようになった。これに関しては後ほど詳しく解説する。

ゲームの概要・あらすじ・ヤタガラスについて・第七話について

詳しくは前回までの記事を参照のこと。

↓リンク先・第一回目

シリーズ記事「『超國家機関ヤタガラス』はなぜ怖ろしいのか?」・第一回目 - ろーだいありー

↓リンク先・第二回目

シリーズ記事「『超國家機関ヤタガラス』はなぜ怖ろしいのか?」・第二回目 - ろーだいありー

↓リンク先・第三回目

シリーズ記事「『超國家機関ヤタガラス』はなぜ怖ろしいのか?」・第三回目 - ろーだいありー

↓リンク先・第四回目 

シリーズ記事「『超國家機関ヤタガラス』はなぜ怖ろしいのか?」・第四回目 - ろーだいありー

↓リンク先・第五回目

シリーズ記事「『超國家機関ヤタガラス』はなぜ怖ろしいのか?」・第五回目 - ろーだいありー

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『シャイニングフォース・黒き竜の復活』の問題点・その4

シャイニングフォース・黒き竜の復活』の問題点とは? その4

はじめに

このシリーズ記事は、セガより2004年に発売された、ゲームボーイアドバンスGBA)ソフト『シャイニングフォース・黒き竜の復活』(以下『黒き竜』)の問題点を掘り下げていく連載企画の第四回目である。

このゲームについて詳しくは、以下のリンク先を参照のこと。

↓その1

lucyukan.hatenablog.com

 ↓その2

lucyukan.hatenablog.com

 ↓その3

lucyukan.hatenablog.com

↓その4

lucyukan.hatenablog.com

今回のテーマは「新規キャラクターの必要性」について

今回取り上げるのは、『黒き竜』で初登場した三名の新規ユニット(キャラクター)について。

『黒き竜』では、オリジナルのメガドライブ版『シャイニングフォース・神々の遺産』(以下『神々の遺産』)には登場していない、新規ユニットが存在する。

まず一人目は「ナーシャ」という、「ルーンファウスト国」(主人公たちから見れば「敵国」)の姫。種族は人間で、職業は「シャーマン」(転職後は「セイント」)。

二人目は「ズイカ」という、「昆虫+人間の忍者」っぽい外見の人物。種族は「昆虫兵」で、職業は「アサシン」(転職後は「キラーマシーン」)。

三人目は「キョウカQ」という、「カード使い」と名乗る人物である。種族は不明。職業はそのまま「カード使い」(転職はできない)。

ここからは、この三人について掘り下げて行き、このゲームに必要であったかどうか考えてみたい。

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『市販本 新しい歴史教科書』(2001年発売)を批判する。※追記あり

今、『市販本 新しい歴史教科書』(扶桑社)を批判的に取り上げる理由とは?

今回は、2001年発売(教科書として使われたのは2002年度から)の『市販本 新しい歴史教科書』(代表執筆者・西尾幹二/扶桑社。現在は絶版)を批判的に紹介しよう。

なぜ今この本か? というと、この「ろーだいありー」のメイン企画「『超國家機関ヤタガラス』はなぜ怖ろしいのか?」でも、今後これを取り上げるつもりだからである。それと、今も脈々とこの教科書は存在し続けている(これを受け継ぐ教科書は今も使われている)ということに危機感があるから。

私の知識量では、とてもこの本のすべてを批評・批判することは出来ないので、この『新しい歴史教科書』を批判した本、他の歴史書なども参照しつつ、主に「第四章・近代日本の建設」以降の記述と、「神話」に関する部分、この本の序文と結びの文章を批評・批判しようと思う。

そもそもこの教科書はなぜ作られたか?

この『新しい歴史教科書』は、新しい歴史教科書をつくる会(以下「つくる会」。1996年に結成された)が作った、中学生用歴史教科書である。このグループの主な主張としては、至極簡単に言ってしまうと「『自虐史観』(造語)を廃し、『自由主義史観』(これも造語)という、子どもたちが日本に誇りを持てるような歴史観を教科書に載せよう」ということのようだ。

ただ、この教科書の執筆者に「歴史研究家・歴史専門家」は一人も含まれていないのは、歴史教科書としては致命的であろう。実際、検定で多くの箇所が修正されたとか…(そのわりには、検定通過後の本でも、初歩的な間違いが多いと、批判本では指摘されているが)。

この教科書の問題点とは?

この教科書の問題は、「子どもたちに『日本に誇りを持たせよう(愛国心を持たせよう、日本人としての自覚を持たせよう)』とするあまり、歴史の捏造などを平気で行ったり、『日本スゴイ』ばかり強調して他国(特にアジア諸国)を貶めたり、自国(日本)中心過ぎたり、反米路線だったり、日本の戦争は全て防衛で正しかったとしたり、日本の『戦争での加害歴史』を少ししか描かない」などだろう。そして「神話を事実のように書いたり、天皇を中心とする、『皇国史観』(戦前や戦中の、歴史教科書の歴史観はこれである)を元にしている」点も問題。

そもそも、愛国心」というものを、「教科書を使って子どもに押し付ける」こと自体が危険である。

この教科書については、韓国や中国など近隣国から批判・抗議が相次ぎ、国内でも不採択運動が広まったことでも知られる。結果、採択率は低かったという。

では、ここからはこの『市販本 新しい歴史教科書』について、批判的に見ていこう。主に近現代史を取り上げる。

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シリーズ記事「『超國家機関ヤタガラス』はなぜ怖ろしいのか?」・第五回目

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(※画像はイメージです)

シリーズ 「超國家機関ヤタガラス」はなぜ怖ろしいのか?

・第五回目「『第七話・呪われた探偵』というシナリオの怖ろしさを検証する(其の四)」

はじめに

 このシリーズ記事は、デビルサマナー葛葉ライドウ対超力兵団(以下『超力兵団』。「プレイステーション2」専用ゲームソフトとして2006年に「アトラス」社より発売されたもの。現在は絶版)に登場する、「超國家機関ヤタガラス」(以下「ヤタガラス」)という架空の組織を「徹底的に批判するため」と、「このゲームシリーズはもう封印作品とすべきである」、そして特に『超力兵団』についてはどんな形であれ(ゲームソフトに限らず)、二度と世に出すべきではないということを訴えるために書くものである。

なぜ、このようなことを訴えるのか、ということについては、前回までの記事を参照されたい。本記事にも、その答えの一部は示している。

なおこの記事には、ゲームの「ネタバレ」も多く含むので注意。

また、このゲームをプレイされたことが無い方には理解できないであろうことは、お断りしておく。

私のTwitter(現在は諸事情により非公開アカウントとしている)での発言も、再録している部分がある。

もうひとつお断りしておくが、本記事と前回までの記事で、この『超力兵団』の「設定・世界観・キャラクター描写・ストーリー」などに関する事柄はすべて、PS2のゲーム『超力兵団』及び、続編の『デビルサマナー葛葉ライドウ対アバドン王』(こちらもPS2専用ゲームソフト。2008年発売。現在は絶版)と、この二作の説明書・各種公式攻略本や、『超力兵団』の公式設定資料本のみを参考にして書いた。それ故、この二作を題材とした「メーカー公認のコミック・ノベライズ・ドラマCD」といったものは一切参照していない(私はこの類の商品は一切購入せず、閲覧・視聴もしないため)。予めご了承あれ。

ゲームの概要・あらすじ・ヤタガラスについて・第七話について

詳しくは前回までの記事を参照のこと。

↓リンク先・第一回目

シリーズ記事「『超國家機関ヤタガラス』はなぜ怖ろしいのか?」・第一回目 - ろーだいありー

 ↓リンク先・第二回目

シリーズ記事「『超國家機関ヤタガラス』はなぜ怖ろしいのか?」・第二回目 - ろーだいありー

↓リンク先・第三回目

シリーズ記事「『超國家機関ヤタガラス』はなぜ怖ろしいのか?」・第三回目 - ろーだいありー

↓リンク先・第四回目

シリーズ記事「『超國家機関ヤタガラス』はなぜ怖ろしいのか?」・第四回目 - ろーだいありー 

今回のテーマは「前回の補足」と「第七話の総括」、「第七話に対する思い」

さて、第二回目~第四回目までは、「第七話・呪われた探偵」というシナリオの怖ろしさを、「ヤタガラスの使者のセリフ」「川野定吉という軍人のセリフ」などを元に検証してきた。

今回は、この第七話を総括し、さらにプレイ中に思ったことも書き綴ろうと思う。

その前に、前回の記事についていくつか補足があるので、先に書いておこう。

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