戦争映画レビュー・その1『ジョニーは戦場へ行った』(トランボ監督/1971年)
戦争映画のレビュー。
第一弾は、トランボ監督の『ジョニーは戦場へ行った』。
トランボ監督が書いた小説を原作とする。
第一次世界大戦に参戦して負傷し、手も、足も、耳も、目も無くし、口も聞けなくなった兵士・「ジョー」を主人公とする。江戸川乱歩の小説『芋虫』と似ている。
この「ジョー」は、病院に収容されている。
診察した医師は、彼は「何も考えていないだろう」と診断する。
しかし、彼には意識も意志もあり、何とか周囲と意思疎通を計ろうとする。その健気さ。
戦争を美化する話ではない。
戦争は愚かで、おぞましいものだ。
彼はその後どうなったのだろうか?
一生、暗闇の中で生き続けなければならぬ彼。
このままずっと、孤独なのか?
一度だけ結ばれた恋人とは、再会できたのだろうか?
彼女はその後どうしたのか?
別の男と結婚したのか?
それとも、「ジョー」の帰りを待ち続けたのか?
それは分からない…。