ろーだいありー

PS2ソフト『デビルサマナー葛葉ライドウ対超力兵団』の考察記事、ゲームプレイ記録、コレクション写真など。

「1968年 激動の時代の芸術」を観る

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千葉市美術館で開催中の、「1968年 激動の時代の芸術」を鑑賞した。

こういうの、私は好きだなぁ。

井上洋介氏のポスターが観られたのがいちばん良かったかな。横尾忠則氏の作品も良いが。

若松孝二監督の映画のポスターもあった。

『坂の上の雲』(司馬遼太郎)の初版本(1969年刊行)も展示されていた(そのうち読もうと思っている本だ…)。

ショップで、寺山修司の演劇ポスターのクリアファイルなどを入手。

私の好きなヴィジュアル系バンド「犬神サアカス團」なども、この時代の「アングラアート」を再現しようとしているのだろう、ということは良く分かる。

「ミケランジェロと理想の身体」展

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上野の国立西洋美術館で開催中の、「ミケランジェロと理想の身体」展を観てきた。

私は彫刻にはあまり関心が無いが(絵画の方を好むため)、チケットが当たったので行ってみた。

タイトルに「ミケランジェロ」とは付くが、ミケランジェロ作品はそれほど多くはない。

個人的には、古代の壁画とかが面白いと思った。

国立西洋美術館は、やはり常設展(企画展チケットでも入れる)が充実しているところが良い。モネやミロの作品などが好き。

今回は常設展の中で、小企画展「西洋版画を視る」もやっていたけど、こちらも面白い。版画の道具も展示されている。

シリーズ記事「『超國家機関ヤタガラス』はなぜ怖ろしいのか?」・第六回目

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(※画像はイメージです)

シリーズ 「超國家機関ヤタガラス」はなぜ怖ろしいのか?

・第六回目「『第伍話・地底参佰米の対決』に見るこのゲームの歴史観と、『新しい歴史教科書』との符合点」

  • はじめに
  • ブログコンセプトの一部変更に関して
  • ゲームの概要・あらすじ・ヤタガラスについて・第七話について
  • 最終話までのあらすじ紹介
  • 今回のテーマは「第伍話の問題点」だが…
  • なぜ第伍話を選んだのかというと…
  • 第伍話前半のあらすじ
  • 川野定吉のセリフについて
  • 「敵国」とはどこの国を指すのか?
  • 第伍話後半のあらすじ
  • 宗像のセリフを読み解く
  • さらに宗像のセリフを読み解くと…、恐るべきことが…
  • 歴史認識問題と関わる?
  • 『新しい歴史教科書』との符合点について
  • 第七話に関して補足
  • まとめ
  • おわりに
  • 参照ゲームソフト・参考文献・お薦め映画DVD

はじめに

※このブログは、『女神転生(メガテン)』ファンの個人による非営利ブログであり、発売元のゲームメーカー様とは一切関わりありません。予めご了承ください。

※この記事は2022年5月22日に加筆・訂正・修正済み。

 

このシリーズ記事は、『デビルサマナー葛葉ライドウ対超力兵団(Devil Summoner: Raidou Kuzunoha vs.the Soulless Army)』(以下『超力兵団』。「プレイステーション2(PS2)」専用ゲームソフトとして2006年に「アトラス」社より発売されたもの。『メガテン』シリーズの一種で、ジャンルはRPG。現在は絶版)に登場する、架空の組織「超國家機関ヤタガラス」(以下ヤタガラス。モデルは「国家神道」であり、極右思想・天皇崇拝思想を持つ)を「徹底的に批判するため」と、「この『超力兵団』そのものが持つ問題点を徹底的に暴いて批判するため」、さらに「この『葛葉ライドウ(Raidou Kuzunoha)』シリーズはもう封印作品とすべきである。特に『超力兵団』についてはどんな形であれ(ゲームソフトに限らず)、二度と世に出すべきではない」ということを訴えるために書くものである。

なぜこういうことを訴えるのかは、これまでの記事を参照してほしい。今回の記事にもその答えは示している。

この『超力兵団』に関しては、新作(三作目)・リメイク・移植・配信・メディアミックスなどの全てを、今後は一切出して欲しくない理由のうち、ひとつを先に説明しておく。

「今、日本の学校で使われている『歴史教科書』の記述が、どんどん後退している(特に「近代の戦争における、日本の加害歴史」をあまり書かないようにしている)」という事態に危機感があり、それから「日本が引き起こした戦争を美化するような、『歴史捏造主義』が台頭している(「歴史捏造主義本」が書店に溢れかえっている)」事態にも危機感があるため。

それとどう関係があるのかというと、この『超力兵団』は、「戦前(1931年)の大日本帝国」(あくまで架空のものだが)だけを舞台とした作品だからだ。今後このシリーズを作るとなると(リメイクも含む)、「このような、『後退した歴史教科書』・『歴史捏造主義本』でしか日本の歴史を学んだことのない若者向けのシナリオを作るのではないか」、「歴史捏造主義者向けのシナリオを作りそうで、子どもと若者には特に危険だ」という懸念があるから、一切出して欲しくないと訴えているわけだ。

この記事には、ゲームの「ネタバレ」も多く含むので注意。

また、このゲームをプレイされていない方には理解出来ないであろうことは、お断りしておく。

もうひとつお断りしておくが、本記事と前回までの記事で、この『超力兵団』の「設定・世界観・キャラクター描写・ストーリー」などに関する事柄はすべて、PS2のゲーム『超力兵団』及び、続編の『デビルサマナー葛葉ライドウ対アバドン王(Devil Summoner 2: Raidou Kuzunoha vs. King Abaddon)』(こちらもPS2専用ゲームソフト。2008年発売。現在は絶版)と、この二作の説明書・各種公式攻略本や、『超力兵団』の公式設定資料本のみを参考にして書いた。それ故、この二作を題材とした「メーカー公認のコミック・ノベライズ・ドラマCD」といったものは一切参照していない(私はこの類の商品は一切購入せず、閲覧・視聴もしないため)。予めご了承あれ。

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ブログコンセプトの一部変更に関して

これまで、この「『超國家機関ヤタガラス』はなぜ怖ろしいのか?」では、主にヤタガラスの怖ろしさを説いてきたわけだが、「はじめに」でも書いたように、今回からは「この『超力兵団』自体もまた、怖ろしいものを含んでおり、それを告発する」というテーマも加えていくことにした。

理由は、このブログシリーズを書いていくうち、「これまでは『ヤタガラスの怖ろしさだけを解説すればいい』と思っていたが、このゲームそのものにも多くの問題点と怖ろしい点がある」と気付いたからである。

また、このゲームの第七話は「ゲーム史上稀に見る大問題作である」と以前書いたが、それどころかこの『超力兵団』自体、「『メガテン』史上…、否、家庭用ゲーム機のRPG史上、稀に見る大問題作かも知れない」という持論も持つようになった。これに関しては後ほど詳しく解説する。

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ゲームの概要・あらすじ・ヤタガラスについて・第七話について

詳しくは前回までの記事を参照のこと。

シリーズ記事「『超國家機関ヤタガラス』はなぜ怖ろしいのか?」・第一回目 - ろーだいありー

シリーズ記事「『超國家機関ヤタガラス』はなぜ怖ろしいのか?」・第二回目 - ろーだいありー

シリーズ記事「『超國家機関ヤタガラス』はなぜ怖ろしいのか?」・第三回目 - ろーだいありー 

シリーズ記事「『超國家機関ヤタガラス』はなぜ怖ろしいのか?」・第四回目 - ろーだいありー

シリーズ記事「『超國家機関ヤタガラス』はなぜ怖ろしいのか?」・第五回目 - ろーだいありー

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『シャイニングフォース・黒き竜の復活』の問題点・その4

『シャイニングフォース・黒き竜の復活』の問題点とは? その4

  • はじめに
  • 今回のテーマは「新規キャラクターの必要性」について
  •  ナーシャとは?
  • ナーシャが存在することの問題点とは?
  • ズイカとは?
  • キョウカQとは?
  • 結論
  • おわりに
  • 参照ゲームソフト
  • 参考文献

はじめに

 ※この記事は2020年7月12日に加筆・訂正・修正済み。

 

この記事は、セガより2004年に発売された、ゲームボーイアドバンスソフト『シャイニングフォース・黒き竜の復活』(以下『黒き竜』)の問題点を掘り下げていく連載企画の第四回目。このゲームは『シャイニングフォース・神々の遺産』(セガのメガドライブソフト。以下『神々の遺産』)のリメイク版である。

 

このゲームについて詳しくは、前回までの記事を参照のこと。

lucyukan.hatenablog.com

lucyukan.hatenablog.com

lucyukan.hatenablog.com

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今回のテーマは「新規キャラクターの必要性」について

今回は「『黒き竜』で初登場した三名の新規ユニット(キャラクター)についての問題点」を取り上げたい。

『黒き竜』では、オリジナルの『神々の遺産』には登場していない、新規ユニットが存在する。

まず一人目は「ナーシャ」という、「ルーンファウスト国」(主人公たちから見れば「敵国」)の姫。種族は人間で、職業は「シャーマン」(転職後は「セイント」)。

二人目は「ズイカ」という、「昆虫+人間の忍者」っぽい外見の人物。種族は「昆虫兵」で、職業は「アサシン」(転職後は「キラーマシーン」)。

三人目は「キョウカQ」という、「カード使い」と名乗る人物である。種族は不明。職業はそのまま「カード使い」(転職はできない)。

ここからは、この三人について掘り下げていき、このゲームに必要であったかどうか考えてみたい。

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『市販本 新しい歴史教科書』(2001年発売)を批判する。※追記あり

『市販本 新しい歴史教科書』(2001年発売)を批判する

  • 今、『市販本 新しい歴史教科書』(扶桑社)を批判的に取り上げる理由とは?
  • そもそもこの教科書はなぜ作られたか?
  • この教科書の問題点とは?
  • 序文と内容が矛盾している
  • 神話を本当のように書く
  • 戦争を美化・戦争協力者を褒める・自衛戦争だと書く・日本の加害を少なく書く
  • 「アジア・太平洋戦争」を「大東亜戦争」と書く
  • 大日本帝国憲法は評価するが、日本国憲法は「押し付け」と言う・教育勅語を全て載せる
  • 嘘の歴史を載せる
  • 天皇(支配者)と「天皇にまつろう者」中心で書かれている
  • 日本スゴイ史観としか言えない
  • 日本(自国)中心すぎて、内向き・右派向きの歴史観である
  • 反米・反欧米列強史観か?
  • 関東大震災後の「朝鮮人虐殺」の書き方に問題がある
  • GHQをやたらと敵視している
  • 日の丸・君が代を詳しく解説するが、侵略の象徴とは書かない。「国旗・国歌法」を批判しない
  • 最後の文について
  • まとめ
  • 引用・参考文献(※追加あり)

 

今、『市販本 新しい歴史教科書』(扶桑社)を批判的に取り上げる理由とは?

今回は、2001年発売(教科書として使われたのは2002年度から)の『市販本 新しい歴史教科書』(代表執筆者・西尾幹二/扶桑社。現在は絶版)を批判的に紹介しよう。

なぜ今この本か? というと、この「ろーだいありー」のメイン企画「『超國家機関ヤタガラス』はなぜ怖ろしいのか?」でも、今後これを取り上げるつもりだからである。それと、今も脈々とこの教科書は存在し続けている(これを受け継ぐ教科書は今も使われている)ということに危機感があるから。

私の知識量では、とてもこの本のすべてを批評・批判することは出来ないので、この『新しい歴史教科書』を批判した本、他の歴史書なども参照しつつ、主に「第四章・近代日本の建設」以降の記述と、「神話」に関する部分、この本の序文と結びの文章を批評・批判しようと思う。

そもそもこの教科書はなぜ作られたか?

この『新しい歴史教科書』は、「新しい歴史教科書をつくる会」(以下「つくる会」。1996年に結成された)が作った、中学生用歴史教科書である。このグループの主な主張としては、至極簡単に言ってしまうと「『自虐史観』(造語)を廃し、『自由主義史観』(これも造語)という、子どもたちが日本に誇りを持てるような歴史観を教科書に載せよう」ということのようだ。

ただ、この教科書の執筆者に「歴史研究家・歴史専門家」は一人も含まれていないのは、歴史教科書としては致命的であろう。実際、検定で多くの箇所が修正されたとか…(そのわりには、検定通過後の本でも、初歩的な間違いが多いと、批判本では指摘されているが)。

この教科書の問題点とは?

この教科書の問題は、「子どもたちに『日本に誇りを持たせよう(愛国心を持たせよう、日本人としての自覚を持たせよう)』とするあまり、歴史の捏造などを平気で行ったり、『日本スゴイ』ばかり強調して他国(特にアジア諸国)を貶めたり、自国(日本)中心過ぎたり、反米路線だったり、日本の戦争は全て防衛で正しかったとしたり、日本の『戦争での加害歴史』を少ししか描かない」などだろう。そして「神話を事実のように書いたり、天皇を中心とする、『皇国史観』(戦前や戦中の、歴史教科書の歴史観はこれである)を元にしている」点も問題。

そもそも、「愛国心」というものを、「教科書を使って子どもに押し付ける」こと自体が危険である。

この教科書については、韓国や中国など近隣国から批判・抗議が相次ぎ、国内でも不採択運動が広まったことでも知られる。結果、採択率は低かったという。

では、ここからはこの『市販本 新しい歴史教科書』について、批判的に見ていこう。主に近現代史を取り上げる。

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