ろーだいありー

PS2ソフト『デビルサマナー葛葉ライドウ対超力兵団』の考察記事、ゲームプレイ記録、コレクション写真など。

シリーズ記事「『超國家機関ヤタガラス』はなぜ怖ろしいのか?」・第九回目

f:id:lucyukan:20200508203908j:plain

(※画像はイメージです)

シリーズ 「超國家機関ヤタガラス」はなぜ怖ろしいのか?

・第九回目「第拾壱話の問題点と、最終話のリプレイ」

  • はじめに
  • 今回のテーマと前回のおさらい
  • 第拾壱話「宇宙への挑戦」のあらすじ
  • ゴウトの正体
  • 第拾壱話の問題点
  • 第拾弐話開始直後の展開
  • ラストダンジョン「アカラナ回廊」に向かう
  • アカラナ回廊・1930エリア
  • 1940エリア~1950エリア(1)
  • 1950エリア(2)
  • 1960エリア
  • 1970エリア
  • 1960エリア(2)
  • 1980エリア
  • 1990エリア~2000エリア
  • 2020エリア
  • 2030エリア
  • 2040エリア~2020エリア(2)~2000エリア(2)
  • 2010エリア
  • 2050エリア
  • 20XXエリア
  • ラストバトル1(伽耶に憑きし者)
  • ラストバトル2(超力戦艦ヤソマガツ)
  • ラストバトル3(超力超神ヤソマガツ)
  • ラストバトル4(超力超神ヤソマガツ第二形態)
  • エンディング~エピローグ
  • おわりに
  • 参照ゲームソフト・主要参考文献

はじめに

※このブログは、『女神転生(メガテン)』ファンの個人による非営利ブログであり、発売元のゲームメーカー様とは一切関わりありません。予めご了承ください。

※この記事は2022年5月22日に加筆・修正・訂正済み。

 

このシリーズ記事は、アトラス社が2006年にプレイステーション2専用ソフトとして発売したRPG『デビルサマナー葛葉ライドウ対超力兵団(Devil Summoner: Raidou Kuzunoha vs.the Soulless Army)』(以下『超力兵団』。『メガテン』シリーズの一種。現在は絶版)に登場する架空組織「超國家機関ヤタガラス」(以下ヤタガラス。極右思想・天皇崇拝思想を持つ)を徹底的に批判すること、『超力兵団』の問題点を暴き出すこと、この『葛葉ライドウ(Raidou Kuzunoha)』シリーズは一切封印すべきである(特に『超力兵団』に関して)と訴えることを目的としたものである。なぜこのシリーズ記事を書くのかと、このゲームの概要については、前回までの記事を参照のこと。下記は、第一回目~第八回目までのリンク集である。

lucyukan.hatenablog.com

この記事は、「日本の右派による歴史捏造主義に徹底して対抗する」立場、「天皇制は差別制度であり、昭和天皇には戦争責任がある」と考える立場から書いている。

ただし、私はいかなる宗教団体・政治団体・市民活動団体・右翼団体・左翼団体などとは一切関わりを持っていないこともお断りする。また私は、右翼・左翼・極左・極右・保守・リベラルのどれにも属していない。

この記事にはゲームの「ネタバレ」も多く含むので注意。

また、このゲームをプレイされていない方には理解出来ないであろうことは、お断りしておく。

このシリーズ記事で『超力兵団』に関わる事柄は、主にゲームソフト『超力兵団』と、続編の『デビルサマナー葛葉ライドウ体アバドン王(Devil Summoner 2: Raidou Kuzunoha vs. King Abaddon)』(こちらもPS2専用ゲームソフトで、2008年発売。現在は絶版)、及びこの二作の説明書・各種公式攻略本や、『超力兵団』の公式設定資料集を元に書いたものであり、この二作を題材とするメーカー公認のコミカライズ、ノベライズ、ドラマCDなどは一切参照していないことも予めお断りする。

TOPに戻る

続きを読む

シリーズ記事「『超國家機関ヤタガラス』はなぜ怖ろしいのか?」・第八回目

f:id:lucyukan:20181109092129j:plain

(※画像はイメージです)

シリーズ 「超國家機関ヤタガラス」はなぜ怖ろしいのか?

・第八回目「『第拾話・帝都炎上!』に見る歴史認識問題・戦後責任問題・歴史捏造主義」

  • はじめに
  • 前回までの記事
  • 今回のテーマ
  •  第八話と第九話のあらすじ、第拾話の序盤
  • アラハバキとは
  • 鳴海と再会
  • 宗像の正体
  • 鳴海のセリフの問題点
  • スクナヒコナとは
  • スクナヒコナを倒すと…
  • 断末魔の真意
    • 《コラム》ライドウの正体に関しての独自論
  • 宗像の設定の真意
  • 前回の補足
  • 「つくる会」教科書との符合点
  • まとめ
  • おわりに
  • 参照ゲームソフト・主要参考文献・引用文献

はじめに

※このブログは、『女神転生(メガテン)』ファンの個人による非営利ブログであり、発売元のゲームメーカー様とは一切関わりありません。予めご了承ください。

※この記事は2022年5月22日に加筆・訂正・修正済み。

 

このシリーズ記事は、『デビルサマナー葛葉ライドウ対超力兵団(Devil Summoner: Raidou Kuzunoha vs.the Soulless Army)』(以下『超力兵団』。「プレイステーション2(PS2)」専用ゲームソフトとして2006年に「アトラス」社より発売されたもの。『メガテン』シリーズの一種で、ジャンルはRPG。現在は絶版)に登場する架空の組織「超國家機関ヤタガラス」(以下ヤタガラス。モデルは「国家神道」であり、極右思想・天皇崇拝思想を持つ)を「徹底的に批判するため」と、「この『超力兵団』そのものが持つ問題点を徹底的に暴いて批判するため」、さらに「この『葛葉ライドウ(Raidou Kuzunoha)』シリーズはもう封印作品とすべきである。特に『超力兵団』についてはどんな形であれ(ゲームソフトに限らず)、二度と世に出すべきではない」ということを訴えるために書くものである。

なぜこういうことを訴えるのかは、これまでの記事を参照してほしい。今回の記事にもその答えは示している。

この『超力兵団』に関しては、新作(三作目)・リメイク・移植・配信・メディアミックスなどの全てを、今後は一切出して欲しくない理由のうち、ひとつを先に説明しておく。

「今、日本の学校で使われている『歴史教科書』の記述が、どんどん後退している(特に「近代の戦争における、日本の加害歴史」をあまり書かないようにしている)」という事態に危機感があり、それから「日本が引き起こした戦争を美化するような、『歴史捏造主義』が台頭している(「歴史捏造主義本」が書店に溢れかえっている)」事態にも危機感があるため。

それとどう関係があるのかというと、この『超力兵団』は、「戦前(1931年)の大日本帝国」(あくまで架空のものだが)だけを舞台とした作品だからだ。今後このシリーズを作るとなると(リメイクも含む)、「このような、『後退した歴史教科書』・『歴史捏造主義本』でしか日本の歴史を学んだことのない若者向けのシナリオを作るのではないか」、「歴史捏造主義者向けのシナリオを作りそうで、子どもと若者には特に危険だ」という懸念があるから、一切出して欲しくないと訴えているわけだ。

この記事には、ゲームの「ネタバレ」も多く含むので注意。

また、このゲームをプレイされていない方には理解出来ないであろうことは、お断りしておく。

もうひとつお断りしておくが、本記事と前回までの記事で、この『超力兵団』の「設定・世界観・キャラクター描写・ストーリー」などに関する事柄はすべて、PS2のゲーム『超力兵団』及び、続編の『デビルサマナー葛葉ライドウ対アバドン王(Devil Summoner 2: Raidou Kuzunoha vs. King Abaddon)』(こちらもPS2専用ゲームソフト。2008年発売。現在は絶版)と、この二作の説明書・各種公式攻略本や、『超力兵団』の公式設定資料本のみを参考にして書いた。それ故、この二作を題材とした「メーカー公認のコミック・ノベライズ・ドラマCD」といったものは一切参照していない(私はこの類の商品は一切購入せず、閲覧・視聴もしないため)。予めご了承あれ。 

それからもうひとつ注意。このブログシリーズは、「日本だけに都合よく歴史を捏造する歴史捏造主義者(多くは右派論客)には徹底して対抗する」こともテーマに含まれるが、決して「天皇制は絶対に廃止せよ」ということを訴えるために書いたものではない。その点は覚えておいて欲しい。また私は、右翼・左翼・極左・極右・保守・リベラルのどれにも属していない。

ただ、「天皇制には差別などの問題点が多い」こと、「昭和天皇には戦争責任があるのに、その責任を取らなかった」こと、「天皇家や天皇制、及び天皇家の象徴である日の丸・君が代を嫌う人は、国内外問わず数多く存在する」ことは知っておいて欲しい、ということは言っておく。

特に、若者向け作品を手がけるゲームクリエイターや漫画家、アニメ作家、ライトノベル作家などはそのことを知っておく方がいいだろう。無知な人が「天皇が出てくる作品、戦争を題材とした作品」を作ると、内容によっては時に国際問題にも発展する可能性があることは認識すべきである。 

TOPに戻る

前回までの記事

前回記事は、下記のリンクからどうぞ。

lucyukan.hatenablog.com

それ以前の記事は、以下のリンクからお読みください。

シリーズ記事「『超國家機関ヤタガラス』はなぜ怖ろしいのか?」・第一回目 - ろーだいありー

シリーズ記事「『超國家機関ヤタガラス』はなぜ怖ろしいのか?」・第二回目 - ろーだいありー

シリーズ記事「『超國家機関ヤタガラス』はなぜ怖ろしいのか?」・第三回目 - ろーだいありー

シリーズ記事「『超國家機関ヤタガラス』はなぜ怖ろしいのか?」・第四回目 - ろーだいありー

シリーズ記事「『超國家機関ヤタガラス』はなぜ怖ろしいのか?」・第五回目 - ろーだいありー

シリーズ記事「『超國家機関ヤタガラス』はなぜ怖ろしいのか?」・第六回目 - ろーだいありー

その他、関連記事としては下記のリンク先も参照してください。

lucyukan.hatenablog.com

TOPに戻る

今回のテーマ

今回のテーマは「『第拾話・帝都炎上!』に見る歴史認識問題・戦後責任問題・歴史捏造主義」とする。

今回検証する第拾話(第十話)は、第七話についでかなりの問題作である。これは、現実の日本における「歴史教科書問題」、「歴史捏造主義」、「歴史認識問題」、そして「戦後責任問題」とも関わる、重要なシナリオだ。

そして、以前から取り上げている「新しい歴史教科書をつくる会」(以下「つくる会」)制作の『市販本 新しい歴史教科書』(扶桑社。以下『新しい歴史教科書』)との符合点も見る。

今回はさらに、同じ「つくる会」制作の『市販本 新しい公民教科書』(扶桑社。以下『新しい公民教科書』)との符合点も見よう。

まずは、前回紹介した第八話と、その次の第九話のあらすじ、第拾話の序盤を解説する。 

TOPに戻る

続きを読む

シリーズ記事「『超國家機関ヤタガラス』はなぜ怖ろしいのか?」・第七回目

f:id:lucyukan:20190729131031j:plain

(※画像はイメージです)

シリーズ 「超國家機関ヤタガラス」はなぜ怖ろしいのか?

・第七回目「『第八話・鉄塔の悪魔』の問題点と、植民地支配の描き方、『新しい歴史教科書』との符合点、明治礼賛ブームの危機感など」

  • はじめに
  • ゲームの概要・あらすじ・ヤタガラスとは何か
  • 今回のテーマは「第八話の問題点」などだが…
  • 第八話は、終盤の宗像のセリフに注目
  • 宗像のセリフに秘められた「恐るべきこと」は…
  • なぜ「ヤタガラスに従うこと」しか選べないのか…?
  • ヤタガラスに従うことしか出来ないとは、どういう意味か
  • アジアの人々が日本人へ向けた怒りの言葉なのか…?
  • 『古事記』と『日本書紀』が持つ危険性とは…
  • 『新しい歴史教科書』との符合点、そして歴史捏造主義
  • 若者の右傾化・左傾化に関して
  • 明治礼賛ブームの危機感
  • 植民地支配が描かれないのはなぜ?
  • 在日韓国人が居ないのはなぜ?
  • 『心のノート』との類似点について
  • 第七話についてさらに一言
  • このゲームの底知れぬ深い闇、そして危険性
  • ゲームオーバー時のムービーの不愉快さ
  • まとめ
  • おわりに
  • 参照ゲームソフト・主要参考文献

はじめに

※このブログは、『女神転生(メガテン)』ファンの個人による非営利ブログであり、発売元のゲームメーカー様とは一切関わりありません。予めご了承ください。

※この記事は2023年10月31日に加筆・修正・訂正済み。

 

このシリーズ記事は、『デビルサマナー葛葉ライドウ対超力兵団(Devil Summoner: Raidou Kuzunoha vs.the Soulless Army)』(以下『超力兵団』。「プレイステーション2(PS2)」専用ゲームソフトとして2006年に「アトラス」社より発売されたもの。『メガテン』シリーズの一種で、ジャンルはRPG。現在は絶版)に登場する架空の組織「超國家機関ヤタガラス」(以下ヤタガラス。モデルは「国家神道」であり、極右思想・天皇崇拝思想を持つ)を「徹底的に批判するため」と、「この『超力兵団』そのものが持つ問題点を徹底的に暴いて批判するため」、さらに「この『葛葉ライドウ(Raidou Kuzunoha)』シリーズはもう封印作品とすべきである。特に『超力兵団』についてはどんな形であれ(ゲームソフトに限らず)、二度と世に出すべきではない」ということを訴えるために書くものである。

なぜこういうことを訴えるのかは、これまでの記事を参照してほしい。今回の記事にもその答えは示している。

この『超力兵団』に関しては、新作(三作目)・リメイク・移植・配信・メディアミックスなどの全てを、今後は一切出して欲しくない理由のうち、ひとつを先に説明しておく。

「今、日本の学校で使われている『歴史教科書』の記述が、どんどん後退している(特に「近代の戦争における、日本の加害歴史」をあまり書かないようにしている)」という事態に危機感があり、それから「日本が引き起こした戦争を美化するような、『歴史捏造主義』が台頭している(「歴史捏造主義本」が書店に溢れかえっている)」事態にも危機感があるため。

それとどう関係があるのかというと、この『超力兵団』は、「戦前(1931年)の大日本帝国」(あくまで架空のものだが)だけを舞台とした作品だからだ。今後このシリーズを作るとなると(リメイクも含む)、「このような、『後退した歴史教科書』・『歴史捏造主義本』でしか日本の歴史を学んだことのない若者向けのシナリオを作るのではないか」、「歴史捏造主義者向けのシナリオを作りそうで、子どもと若者には特に危険だ」という懸念があるから、一切出して欲しくないと訴えているわけだ。

この記事には、ゲームの「ネタバレ」も多く含むので注意。

また、このゲームをプレイされていない方には理解出来ないであろうことは、お断りしておく。

もうひとつお断りしておくが、本記事と前回までの記事で、この『超力兵団』の「設定・世界観・キャラクター描写・ストーリー」などに関する事柄はすべて、PS2のゲーム『超力兵団』及び、続編の『デビルサマナー葛葉ライドウ対アバドン王(Devil Summoner 2: Raidou Kuzunoha vs. King Abaddon)』(こちらもPS2専用ゲームソフト。2008年発売。現在は絶版)と、この二作の説明書・各種公式攻略本や、『超力兵団』の公式設定資料本のみを参考にして書いた。それ故、この二作を題材とした「メーカー公認のコミック・ノベライズ・ドラマCD」といったものは一切参照していない(私はこの類の商品は一切購入せず、閲覧・視聴もしないため)。予めご了承あれ。

それからもうひとつ注意。このブログシリーズは、「日本だけに都合よく歴史を捏造する歴史捏造主義者(多くは右派論客)には徹底して対抗する」こともテーマに含まれるが、決して「天皇制は絶対に廃止せよ」ということを訴えるために書いたものではない。その点は覚えておいて欲しい。私は反天皇制だが天皇制廃止論者とは名乗っていない。また、右翼・左翼とも無関係の「自称中道派」である。

ただ、「天皇制には差別などの問題点が多い」こと、「昭和天皇には戦争責任があるのに、その責任を取らなかった」こと、「天皇家や天皇制、及び天皇家の象徴である日の丸・君が代を嫌う人は、国内外問わず数多く存在する」ことは知っておいて欲しい、ということは言っておく。

特に、若者向け作品を手がけるゲームクリエイターや漫画家、アニメ作家、ライトノベル作家などはそのことを知っておく方がいいだろう。無知な人が「天皇が出てくる作品、戦争を題材とした作品」を作ると、内容によっては時に国際問題にも発展する可能性があることは認識すべきである。

TOPに戻る

ゲームの概要・あらすじ・ヤタガラスとは何か

詳しくは前回までの記事を参照のこと。

シリーズ記事「『超國家機関ヤタガラス』はなぜ怖ろしいのか?」・第一回目 - ろーだいありー

シリーズ記事「『超國家機関ヤタガラス』はなぜ怖ろしいのか?」・第二回目 - ろーだいありー

シリーズ記事「『超國家機関ヤタガラス』はなぜ怖ろしいのか?」・第三回目 - ろーだいありー

シリーズ記事「『超國家機関ヤタガラス』はなぜ怖ろしいのか?」・第四回目 - ろーだいありー

シリーズ記事「『超國家機関ヤタガラス』はなぜ怖ろしいのか?」・第五回目 - ろーだいありー

シリーズ記事「『超國家機関ヤタガラス』はなぜ怖ろしいのか?」・第六回目 - ろーだいありー

TOPに戻る

今回のテーマは「第八話の問題点」などだが…

 では、今回のテーマを発表しよう。

「『第八話・鉄塔の悪魔』の問題点と、植民地支配の描き方、『新しい歴史教科書』との符合点、明治礼賛ブームの危機感など」とする。

今回は、「第八話・鉄塔の悪魔」を読み解いていく。さらに前回同様、『新しい歴史教科書』「新しい歴史教科書をつくる会」が作った教科書。現在は絶版だが、これを受け継ぐものは今でも二社から出ている)との符合点も見ていく他、このゲームが持つ様々な問題点もさらに掘り下げよう。

前回は「第伍話・地底参佰米の対決(ちていさんびゃくめーとるのたいけつ)」を解説した。陸軍造船所の最深部で、敵対する陸軍少尉・宗像と出会う。宗像が召喚したアビヒコ・ナガスネヒコと戦い、ヒロインの「大道寺伽耶」を救い出すという話であった(詳しくは前回記事を参照のこと)。

その後の第六話では、今度は伽耶が自ら姿を消してしまう。第六話に関しても気になる点はあるのだが、今回は取り上げない。また別の機会に紹介しよう。

第七話については、「『超國家機関ヤタガラス』はなぜ怖ろしいのか?」第二回目から第五回目を参照してほしい。 

そして第八話では、第伍話で取り逃がした宗像を追って、謎の鉄塔へと向かうことになる。

ちなみにこの鉄塔「和電イ号基」は、「ヒルコ」という悪魔でびっしりと覆われている(床まで!)、とても気持ちの悪いものだということは特記しておく(グロテスクなものが苦手な人はやらない方が…)。このブログでは、この塔を独自に「ヒルコタワー」と呼ぶことにする。

ヒルコ(蛭子、蛭児ともいう)とは本来、『古事記』・『日本書紀』に出てくる夫婦神「イザナミ・イザナキ」の最初の子どものこと。生まれつき身体障害があり(なぜ障害を持って生まれたのかは、『古事記』・『日本書紀』を参照のこと。どこか男尊女卑的なものを感じる)、蔑まれて船に乗せられ海に流された…と言われる(その後ヒルコは七福神の「恵比寿様」に転じた…という伝説もある。「蛭子」は「えびす」とも読む)。

このゲーム中のヒルコは、『古事記』・『日本書紀』のそれとはあまり関係は無いが、ヒルコタワーでヒルコを踏みにじりながら進む…、というのは、何か隠された意味があるのかも知れない。

では、ここからは第八話を解説していこう。

TOPに戻る

続きを読む

シリーズ記事「『超國家機関ヤタガラス』はなぜ怖ろしいのか?」・第六回目

f:id:lucyukan:20191230130640j:plain

(※画像はイメージです)

シリーズ 「超國家機関ヤタガラス」はなぜ怖ろしいのか?

・第六回目「『第伍話・地底参佰米の対決』に見るこのゲームの歴史観と、『新しい歴史教科書』との符合点」

  • はじめに
  • ブログコンセプトの一部変更に関して
  • ゲームの概要・あらすじ・ヤタガラスについて・第七話について
  • 最終話までのあらすじ紹介
  • 今回のテーマは「第伍話の問題点」だが…
  • なぜ第伍話を選んだのかというと…
  • 第伍話前半のあらすじ
  • 川野定吉のセリフについて
  • 「敵国」とはどこの国を指すのか?
  • 第伍話後半のあらすじ
  • 宗像のセリフを読み解く
  • さらに宗像のセリフを読み解くと…、恐るべきことが…
  • 歴史認識問題と関わる?
  • 『新しい歴史教科書』との符合点について
  • 第七話に関して補足
  • まとめ
  • おわりに
  • 参照ゲームソフト・参考文献・お薦め映画DVD

はじめに

※このブログは、『女神転生(メガテン)』ファンの個人による非営利ブログであり、発売元のゲームメーカー様とは一切関わりありません。予めご了承ください。

※この記事は2022年5月22日に加筆・訂正・修正済み。

 

このシリーズ記事は、『デビルサマナー葛葉ライドウ対超力兵団(Devil Summoner: Raidou Kuzunoha vs.the Soulless Army)』(以下『超力兵団』。「プレイステーション2(PS2)」専用ゲームソフトとして2006年に「アトラス」社より発売されたもの。『メガテン』シリーズの一種で、ジャンルはRPG。現在は絶版)に登場する、架空の組織「超國家機関ヤタガラス」(以下ヤタガラス。モデルは「国家神道」であり、極右思想・天皇崇拝思想を持つ)を「徹底的に批判するため」と、「この『超力兵団』そのものが持つ問題点を徹底的に暴いて批判するため」、さらに「この『葛葉ライドウ(Raidou Kuzunoha)』シリーズはもう封印作品とすべきである。特に『超力兵団』についてはどんな形であれ(ゲームソフトに限らず)、二度と世に出すべきではない」ということを訴えるために書くものである。

なぜこういうことを訴えるのかは、これまでの記事を参照してほしい。今回の記事にもその答えは示している。

この『超力兵団』に関しては、新作(三作目)・リメイク・移植・配信・メディアミックスなどの全てを、今後は一切出して欲しくない理由のうち、ひとつを先に説明しておく。

「今、日本の学校で使われている『歴史教科書』の記述が、どんどん後退している(特に「近代の戦争における、日本の加害歴史」をあまり書かないようにしている)」という事態に危機感があり、それから「日本が引き起こした戦争を美化するような、『歴史捏造主義』が台頭している(「歴史捏造主義本」が書店に溢れかえっている)」事態にも危機感があるため。

それとどう関係があるのかというと、この『超力兵団』は、「戦前(1931年)の大日本帝国」(あくまで架空のものだが)だけを舞台とした作品だからだ。今後このシリーズを作るとなると(リメイクも含む)、「このような、『後退した歴史教科書』・『歴史捏造主義本』でしか日本の歴史を学んだことのない若者向けのシナリオを作るのではないか」、「歴史捏造主義者向けのシナリオを作りそうで、子どもと若者には特に危険だ」という懸念があるから、一切出して欲しくないと訴えているわけだ。

この記事には、ゲームの「ネタバレ」も多く含むので注意。

また、このゲームをプレイされていない方には理解出来ないであろうことは、お断りしておく。

もうひとつお断りしておくが、本記事と前回までの記事で、この『超力兵団』の「設定・世界観・キャラクター描写・ストーリー」などに関する事柄はすべて、PS2のゲーム『超力兵団』及び、続編の『デビルサマナー葛葉ライドウ対アバドン王(Devil Summoner 2: Raidou Kuzunoha vs. King Abaddon)』(こちらもPS2専用ゲームソフト。2008年発売。現在は絶版)と、この二作の説明書・各種公式攻略本や、『超力兵団』の公式設定資料本のみを参考にして書いた。それ故、この二作を題材とした「メーカー公認のコミック・ノベライズ・ドラマCD」といったものは一切参照していない(私はこの類の商品は一切購入せず、閲覧・視聴もしないため)。予めご了承あれ。

TOPに戻る

ブログコンセプトの一部変更に関して

これまで、この「『超國家機関ヤタガラス』はなぜ怖ろしいのか?」では、主にヤタガラスの怖ろしさを説いてきたわけだが、「はじめに」でも書いたように、今回からは「この『超力兵団』自体もまた、怖ろしいものを含んでおり、それを告発する」というテーマも加えていくことにした。

理由は、このブログシリーズを書いていくうち、「これまでは『ヤタガラスの怖ろしさだけを解説すればいい』と思っていたが、このゲームそのものにも多くの問題点と怖ろしい点がある」と気付いたからである。

また、このゲームの第七話は「ゲーム史上稀に見る大問題作である」と以前書いたが、それどころかこの『超力兵団』自体、「『メガテン』史上…、否、家庭用ゲーム機のRPG史上、稀に見る大問題作かも知れない」という持論も持つようになった。これに関しては後ほど詳しく解説する。

TOPに戻る

ゲームの概要・あらすじ・ヤタガラスについて・第七話について

詳しくは前回までの記事を参照のこと。

シリーズ記事「『超國家機関ヤタガラス』はなぜ怖ろしいのか?」・第一回目 - ろーだいありー

シリーズ記事「『超國家機関ヤタガラス』はなぜ怖ろしいのか?」・第二回目 - ろーだいありー

シリーズ記事「『超國家機関ヤタガラス』はなぜ怖ろしいのか?」・第三回目 - ろーだいありー 

シリーズ記事「『超國家機関ヤタガラス』はなぜ怖ろしいのか?」・第四回目 - ろーだいありー

シリーズ記事「『超國家機関ヤタガラス』はなぜ怖ろしいのか?」・第五回目 - ろーだいありー

TOPに戻る

続きを読む

シリーズ記事「『超國家機関ヤタガラス』はなぜ怖ろしいのか?」・第五回目

f:id:lucyukan:20190729124847j:plain

(※画像はイメージです)

シリーズ 「超國家機関ヤタガラス」はなぜ怖ろしいのか?

・第五回目「『第七話・呪われた探偵』というシナリオの怖ろしさを検証する(其の四)」

  • はじめに
  • ゲームの概要・あらすじ・ヤタガラスについて・第七話について
  • 今回のテーマは「前回の補足」と「第七話の総括」、「第七話に対する思い」
  • 前回記事の補足・その1「撃破後のヒトコトヌシのセリフ」
  • 前回記事の補足・その2「天皇に呪いをかけた真の黒幕とは?」
  • 前回記事の補足・その3「川野のセリフの続き」
  • 前回記事の補足・その4「第八話で見られる新聞記事と、ある軍人のセリフ」
  • 第七話についておさらい
  • 第七話の総括・なぜこの話は危険なのか?
    • その1・子どもたちには危険
    • その2・右翼思想を持つ人だけが気持ちよくなればいい、というのは問題だ
    • その3・「右翼や右傾化した政府のプロパガンダ」に利用されかねない
    • その4・『ドラクエ』なら問題ないが、このゲームでは問題になる
    • その5・戦争賛美と捉えられかねない
    • その6・もしこれがドイツのゲームだったとしたら?
  • 第七話について思うこと
  • まとめ
  • おわりに
  • 参照ゲームソフト・参考文献

はじめに

※このブログは、『女神転生(メガテン)』ファンの個人による非営利ブログであり、発売元のゲームメーカー様とは一切関わりありません。予めご了承ください。

※この記事は2022年5月22日に加筆・訂正・修正済み。

 

このシリーズ記事は、『デビルサマナー葛葉ライドウ対超力兵団(Devil Summoner: Raidou Kuzunoha vs.the Soulless Army)』(以下『超力兵団』。「プレイステーション2(PS2)」専用ゲームソフトとして2006年に「アトラス」社より発売されたもの。現在は絶版。『メガテン』シリーズの一種)に登場する架空の組織「超國家機関ヤタガラス」(以下ヤタガラス)を「徹底的に批判するため」と、「この『葛葉ライドウ(Raidou Kuzunoha)』シリーズはもう封印作品とすべきである」、そして「特に『超力兵団』についてはどんな形であれ(ゲームソフトに限らず)、二度と世に出すべきではない」ということを訴えるために書くものである。

なぜ、このようなことを訴えるのかは、前回までの記事を参照されたい。本記事にも、その答えの一部は示している。

なおこの記事には、ゲームの「ネタバレ」も多く含むので注意。

また、このゲームをプレイされていない方には理解出来ないであろうことは、お断りしておく。

もうひとつお断りしておくが、本記事と前回までの記事で、この『超力兵団』の「設定・世界観・キャラクター描写・ストーリー」などに関する事柄はすべて、PS2のゲーム『超力兵団』及び、続編の『デビルサマナー葛葉ライドウ対アバドン王(Devil Summoner 2: Raidou Kuzunoha vs. King Abaddon)』(こちらもPS2専用ゲームソフト。2008年発売。現在は絶版)と、この二作の説明書・各種公式攻略本や、『超力兵団』の公式設定資料本のみを参考にして書いた。それ故、この二作を題材とした「メーカー公認のコミック・ノベライズ・ドラマCD」といったものは一切参照していない(私はこの類の商品は一切購入せず、閲覧・視聴もしないため)。予めご了承あれ。

TOPに戻る

ゲームの概要・あらすじ・ヤタガラスについて・第七話について

詳しくは前回までの記事を参照のこと。

シリーズ記事「『超國家機関ヤタガラス』はなぜ怖ろしいのか?」・第一回目 - ろーだいありー

シリーズ記事「『超國家機関ヤタガラス』はなぜ怖ろしいのか?」・第二回目 - ろーだいありー

シリーズ記事「『超國家機関ヤタガラス』はなぜ怖ろしいのか?」・第三回目 - ろーだいありー

シリーズ記事「『超國家機関ヤタガラス』はなぜ怖ろしいのか?」・第四回目 - ろーだいありー 

TOPに戻る

今回のテーマは「前回の補足」と「第七話の総括」、「第七話に対する思い」

さて、第二回目~第四回目までは、「第七話・呪われた探偵」というシナリオの怖ろしさを、「ヤタガラスの使者(ヤタガラスの命令などを伝える女性)のセリフ」「川野定吉(海軍軍人の男)のセリフ」などを元に検証してきた。

今回は、この第七話を総括し、さらにプレイ中に思ったことも書き綴ろうと思う。

その前に、前回の記事についていくつか補足があるので、先に書いておこう。

TOPに戻る

続きを読む